【固定資産評価/大阪市】都市計画法等により建築制限を受けている土地の評価

自分の所有する土地であっても、都市計画道路の予定地や史跡保存などの理由で「自由に建物が建てられない」という制限を受けることがあります。このような土地は、利用価値が低下しているとみなされ、「補正率」を用いて評点数を下げることで評価額が調整されます

本記事では、【大阪市】での評価の対象となる土地の定義から、補正率の算出方法までを簡単に解説します。

1. 評価の対象となる土地は?

まず、この評価補正が適用される土地は、以下の法律等に基づき、現に建築制限を受けている土地が対象となります。

※ただし、「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法(通称:大深度法)の適用を受けた土地については、この補正は適用されません。

2.評価方法

建築制限による評価の調整は、その制限が土地の利用価値に与える影響の度合いに応じて行われます。

具体的には、「建築制限の影響の程度(地積の割合)」と「付近の土地利用度」の2軸で決定される補正率を乗じます。

① 影響の程度が明確な場合

制限を受ける面積の割合がはっきりしている場合は、以下の表に基づいた補正率を適用します(一部抜粋)。

付近の土地利用度制限面積 20%未満20%以上40%未満40%以上60%未満60%以上80%未満80%以上
主として高層建物が連たんしている地域90%85%80%75%70%
主として中層建物が連たんしている地域95%90%85%80%75%
その他の地域95%91%87%83%80%

② 影響の程度が不明確な場合

制限を受ける面積の判定が困難な場合は、地域の利用状況に応じた一律の補正率が適用されます。

高層建物地域 :  80%

中層建物地域 :  85%

その他の地域 :  87%

3. 「土地の利用度」はどう判定する?

補正率を決定する「土地の利用度」は、単なる容積率だけでなく、地域の現況や動向から総合的に判断されます

ソースによる判定基準は以下のとおりとされています。

  • 高層建物地域: おおむね容積率600%以上。現況ですでに6階建以上の建物で地域が構成されている、あるいは構成されつつある地域。
  • 中層建物地域: おおむね容積率300%以上500%以下。現況ですでに3階建以上5階建以下の建物で地域が構成されている、あるいは構成されつつある地域。
  • その他の地域: おおむね容積率200%以下。現況が2階建程度の低層建物で構成されている地域。

4.まとめ

大阪市の都市計画法等による建築制限がある土地の評価は、**「どれだけ広い範囲が使えないか」だけでなく、「その地域が本来どの程度の高層化を想定しているか」**によって大きく変わります。

周りが高層ビルの地域ほど、建築制限による利用価値の損失が大きいとみなされ、補正率(評価額)がより低く設定される仕組みになっています。

例えて言うと、この制度は、高い建物を建てるための高価な「レゴの土台」を買ったのに、基本となるルール以外の別のルールのせいで建物が自由に建築できなくなった際に、その**「失われたポテンシャル」の分だけ代金を割り引いてくれるような仕組み**といえます。

【参考文献】

『固定資産評価実施要領』/令和6年度 大阪市財政局税務部課税課(固定資産税(土地)グループ)